育児短時間勤務徹底考察!~メリット・デメリット~

人事×キャリコン

さわ
さわ

 

こんにちは!

自分の気持ちが喜ぶことを見つけて生きていく!

週末キャリアコンサルタントの“さわ”です。

今日のテーマは「育児短時間勤務徹底考察!~メリット・デメリット~」です!

 

今年も保育園入園の選考時期がやってきました。

復帰後の働き方の希望はイメージされていますか?

人事部×キャリアコンサルタントのさわが育児短時間勤務のメリット・デメリットを徹底考察していきたいと思います。

 

 

法律上のルール

育児短時間勤務は3歳未満児を育てる保護者が、仕事と育児の両立のため勤務時間を最大2時間短縮することができる制度です。

よく職場で「短時間勤務」「時短」などといった呼び方をされているのではないでしょうか。

法律では、

3歳未満児を育てる保護者に最大2時間、勤務時間を短縮する措置(女性だけではなく男性も対象)

を事業者に求めるものとなっています。

なので、職場によっては対象となる子どもの年齢が「小学校に上がるまで」だったり「小学校6年生まで」だったり、短縮できる時間が2時間以上あったりと、そういったところは会社の裁量によるところかと思います。

ノーワーク・ノーペイの原則に則ると、短縮した時間分の賃金はカットされることが一般的です。

 

メリット・デメリット

一般的に言われるメリット・デメリットについて次にまとめます。

メリット
お子さんとの時間を確保することができる。
通勤時間が長い場合、保育園の閉園時間に間に合うようにお迎えに行ける。

デメリット
短縮した分だけ賃金カットされることが多い。(8時間勤務を2時間短縮すると賃金が約3/4になる)

 

一般的に言われるメリット・デメリットはこんな感じですかね。

でも、デメリットについてはもう一歩踏み込んで考えてほしいと思います。

例えば、勤務先の賞与のルールはどうなっていますか?
給与と同じく短縮した時間を1日換算してその分カットされる場合はけっこう多いかと思います。同様に退職金の算定時にも短縮した時間を1日換算して勤続年数から控除するという場合もあり得ます。

他には定期昇給のルールはどうですか?
法律では育児に関連する制度を利用したことによる不利益扱いは禁止されていますが、「育児短時間勤務を使っている人は一律C評価にする(=生涯賃金が伸びない)」という暗黙のルールが社内規定や評価者(管理職)にあったりしていませんか?

「育児短時間勤務利用者は研修に参加させてもらえない」「キャリアアップにつながる重要な仕事を任せてもらえない」といったことも聞いたことがあります。

また、例えば母親が短時間勤務を取得することで、母親の帰宅が早くなり、父親は安心してしまい残業が増えてしまって平日ワンオペ育児になってしまったということも…。

 

見えないデメリット
賞与も賃金カットの対象となってしまう。
場合によっては退職金カットの対象にも。
短時間勤務を取得したことによって評価が下がってしまう。
昇給が抑えられ、生涯賃金に抑制がかかってしまう。
教育機会に恵まれない。
キャリアアップにつながる重要な仕事から遠ざかってしまう。
短時間勤務を取得してない方の配偶者の帰りが遅くなりワンオペになってしまう。

 

そういった、意外と分からない部分って結構あるんです。

 

人事担当者として育児短時間勤務取得を希望される社員さんとお話しすることが多いのですが、「短時間勤務取るので申請します」と、流れで短時間勤務を取ると決めていらっしゃることが多いんですよね。
色々考え抜いた末の結論として短時間勤務取得という判断をしてもらえばよいのですが、サクッと取得を決める割に後になって「思っていたイメージと違った」「こんなはずじゃなかったのに」と言われることもあり、「自分の気持ちが喜ぶことを見つけて生きていく」ことを支援したいと考えるキャリアコンサルタントさわとしてはモヤモヤが残ってしまったことがあります。

 

キャリアコンサルタントとしての視点から育児短時間勤務を考える

制度を案内する側としてはメリットを多く提示してあげて使える制度は使ってほしいという思いもあるかもしれません。それは人事部門担当者として理解できます。また、自身が育児の経験者だったりすると自分の経験からこれから制度を取ろうか迷っていらっしゃる方に助言をしたくなる気持ちもわかります。

でも、短時間勤務を取るのはあなたであり、人事部門担当者でも過去の育児経験者ではありません。とりあえず使えるものは使っておいたら、と流れでおススメする→取得するのではなく、キャリアコンサルタントとしての視点から言えば「自分のありたい姿をイメージして制度活用をしてほしい」と思います。

 

5年後、あなたがなっていたい姿はどんな姿ですか?
 →仕事の第一線で活躍していたい?お子さんとの時間を優先していたい?

 

フルタイム復帰するときのイメージはできていますか?
 →正社員で働き続けるのであればいつかはフルタイムに復帰しなければなりません。フルタイム復帰後の自分をイメージできていますか?それともパートタイムなど雇用形態を変えてでも短時間勤務を継続したいと考えていますか?

 

目に見えない部分のデメリットについて職場に確認しましたか?
→なかなか聞きにくい内容かなとは思いますが、メリット以上に確認していただきたい内容です。会社のルールについて人事部門に聞きにくいようだったら、制度利用をしたことのある育児の先輩社員に聞いてみてもいいと思います。ご家庭のことはぜひ配偶者と話し合ってほしいと思います。

 

さわの経験を書かせてください。

わたしは過去3度育児休業から職場復帰していますが、3回ともフルタイム復帰です。

わたしは仕事も育児も両方頑張りたいと考えるタイプなので育児を理由に「さわさんにこの仕事は任せられない」と言われるのはイヤだし、一度「さわさん、いつお子さんの体調悪くなって保育園から呼び出されるか分からないから今度の研修はナシね」と言われて猛抗議したこともあります(笑)。また、家事・育児の負担は基本平等で平日のワンオペはナイと考えているので、夫も育児の当事者にしておきたかった。19時には家族そろって夕ご飯を食べるのが夫婦の目標です。

「キャリアアップも大事だから全力で仕事をやる。家族みんなで夕ご飯を一緒に食べるという目標を夫婦で共有する。それを両方叶えて子どもの前で笑顔のママでいる」ことが「わたしのありたい姿」です。

 

だから短時間勤務は取得しませんでした。

 

確かに短時間勤務をしているお母さんと比べて子どもとの時間は少ないです。

でも子どもたちとの信頼関係は「時間の量ではなく質」によってつくられると考えています。

「さわさんも短時間勤務取ればいいのに~。」と先輩社員に言われたこともありますが、わたしはこういった理由で短時間勤務という働き方は選ばなかったです。後悔もしていません。

 

「こんなはずじゃなかった!」とおっしゃって来られる方の話をよく聞いてみると「情報が少なすぎて判断がつかなかった」とのこと。

これから制度利用を検討されていらっしゃる方はぜひ、自分のありたい姿を文字に落とし込んで、それにつながる社内制度、雰囲気(暗黙のルール)、家庭内の協力体制を整理してみてください。わたしが挙げた内容の他にも考えておいた方が良い内容もあるかもしれませんね。

そうして納得した上で短時間勤務を有効に活用してください。そうすることで「こんなはずじゃなかった!」という理想と現実のズレは小さくなり、お子さんの前で笑顔でいられる時間が増えるのではないでしょうか。